【二次小説】ハニーレモンソーダ 界視点での56話 

honey56wa-kai 「ハニーレモンソーダ」

注意

こちらは

2020年7月3日発売の『りぼん8月号』に掲載されているハニーレモンソーダ 56話を読んで気持ちが高ぶったわたしが、界の心情や、作中では見えない部分を、勝手に想像して書き連ねたものです。

56話を読んでいないとストーリーの流れが分からないものになっています。


界はぜんぜん自分の気持ちを教えてくれないので、ついついこちらの想像力が活発になりますね…

皆さんの想像の界と違っていたらすみません!力量不足です!

こんな文章でも、少しでも面白がって楽しんでもらえると有難いです(ぺこり)

56話 界視点

火曜日…いやとっくに日付が変わって水曜日になっている。

今は水曜日の6:00。

2時間ほど前に日が出て、今はすっかり窓の外が明るい。朝だ。

昨夜から今まで寝ずに何をやっていたかというと、羽花に渡すレモンケーキを作っていた。


毎週水曜日は羽花がオレの分の弁当を作ってきてくれる。これはそのお返し。

もちろんお返しをねだられていたわけではないが、ただ貰ってばかりじゃこちらの居心地が悪い。材料費は親からの小遣いだろうから、間接的に羽花の両親にも世話になってるわけだし。

何を渡すのがいいか考えて…。

羽花が弁当なら、オレはスイーツを作ってみるかなとやってみたけれど。

3回作り直して、やっと納得できる出来栄えのレモンケーキができた。菓子作りと料理じゃ勝手が違うと聞いたことがあるが、今回でそれが本当のことだとよくわかった。

こんなに時間がかかるとは想定外だ。まさか久々の完徹の理由が「お菓子作り」だとは、己の変わりっぷりが少しおかしい。

そもそもオレは甘いものが苦手なのに、甘いものを作ろうとしたのが無謀だったのかも。できたものが美味しいのかどうか、そこまで自信がないけれど。

でも渡したら、きっと羽花は喜ぶんだ。

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眠い…。8時まで寝るか。

少しキッチンの片付けをしてから、ベッドの上に倒れ込んだ。

アラームをセットしようとスマホを手に持ったときに、羽花は「6時半から弁当作りをしている」と言っていたことを思い出した。

…それじゃあこの時間は起きてるよな。

ラインを起動して、先日「お揃い」にした羽花のアイコンをタップし、電話をかけてみる。

5回くらいのコール後に、羽花が出た。

『もっ もし』って、どもってる羽花の声を聞いたら、どっと眠気が襲って来た。

「ごめん8時に起こして」と言ったのは覚えているけど、羽花の返事を聞く前に寝落ちていた。

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結局朝は自力で起きた。オレすげぇ。

こんなに真っ当な自分。高1の頃のオレに教えてやりたい。

羽花には、起きてから電話をかけた。

起きれてて『良かった』って言ってたけど、起こせなくて残念だったかもな。そういう声してたわ。


朝までかかったケーキと、羽花両親へのドラ焼き(こっちは買ったやつ)は家に置いてきた。学校が終わってから取りに帰って、羽花の家まで持ってくつもり。


しかしとにかく眠い。あくびが止まらない。

授業中に起きてられるか、さすがに自信ない。

マジで眠い。

もう今日は極力、省エネモードだ。

羽花の弁当を楽しみに生きよう。

んで昼休みに寝ればどうにかなるだろ。

……あいつの膝枕で寝れば。

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右手骨折。全治3か月。

眠気と戦いながらやっと迎えた昼休みに、やってしまった。

信じらんねぇ。眠くて頭回ってなかったからな。もっと早く岬を下ろしてれば良かった。

羽花に怪我がなくて良かったけど、あいつ絶対に責任感じてるし。

あーめんどくせぇ。ダセぇ。

岬が謝ってくるのは分かるとして、なんで羽花が謝ってんだ?


あーあ。

羽花は何も悪くないのに、落ち込んで責任感じてるあいつの顔を見ると少しうざくてムカついてしまう。羽花にこんな顔をさせてしまってる「自分の格好悪さ」を思い知らされるからなんだろう。

早く離れたくて「はいはいうざい」って、言ってしまう。

羽花なら、それが「今は放っておいて」って意味だと分かってくれるんだろうって。羽花に甘えてしまってて、やっぱり格好悪い。


門を出たところに、あいつらがいた。

なんで怪我したこと知ってんだ?

会うのは久々だ。この頃はバイトでしか夜出歩かないし、勉強があるし、こいつらとつるむ時間はいつの間にか無くなっていった。


羽花がいる前で「大丈夫?物足りてる?」なんて軽口、こいつらの言いそうなことなのに無性にムカつく。否定する言葉も、怒りの言葉も言う気が起きないくらい”意味のわからない言葉”だ。

早く羽花から、こいつらを離したい。

羽花の方を振り向くことはせず、オレはさっさと歩いて帰った。

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あいつらを撒いて、ようやく家に着いた。

着替えて、羽花の家に”お返し”を届けに行かないと。特に約束してないけど、羽花は自宅にいるだろうか。

しかし、ギプスつけた腕で着替えをするのは結構難しかった。時間かかったな。利き手だし、やっぱ色々と支障はあるか。


歩いてたら、またあいつらに捕まった。なんでか懐かれてるよな…。

「女の子いっぱい呼ぶから遊ぼう」って、本当にオレってそういうの喜ぶ奴だと思われてるんだなと。いや、女呼ぶダシに使われてるのか?まぁどっちでも構わないけど。

「用あるから」って断ると、「バイト?」「いや今日はバイトじゃないよね」って…。そんな情報まで回ってくるって、色々どうなってんだ。正直怖いわ。


自分はどうも、そういう奴らの、”羽花とは真逆な奴ら”の関心を集めてしまいやすい。外で遊ぶようになってからずっとだ。

そういう奴らとつるんでいて「これが自分に合ってる環境なのか」と考えたこともあったけれど。でもなんとなく、これに染まりきるには抵抗があって、線引きして付き合ってきたつもり。


夜じゃない世界でも、オレは生きていけるって思いたかった。

授業中寝てばっかりでも高校に通ってたのには、そういう意味もあるんだろうな。

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「すぐ自立したいって言ってたのに いいの?」と聞かれた。こいつらに、そんな話をしたことがあったのか。

……就職して、いわゆる社会人になれば「自立してる」ということになる。

昔のオレは”1人でも生きていける”って、早く証明してみせたかった。だから高校を卒業したら就職するってのは、当然の選択だったはずなんだけど。


羽花と付き合いだして、羽花への気持ちが大きくなっていって

”ずっと一緒にいる”ことを現実的に考えたとき、一緒にいる未来を想像したときに、『自分はこのまま就職でいいのか?』って、自問した。


「初めて ちゃんと 考えたこと」

「後悔しないように」

「後悔させないように」

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パンパンの買い物袋を両手に持った羽花が、目の前に現れた。

「どうすればいいかってウロウロしてて」って、いつもオレの気持ちを考えて悩んでくれる羽花。

誰よりもオレのことを考えてくれてるのに、オレが1人でないのをみて「帰るね」っていう謙虚さが、羽花らしくてたまらない。

本当にこいつ、オレのこと好きだよなって。

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羽花を引っ張って、あいつらと距離を取るために少し歩いた。

羽花が「よかったの?」「久しぶりなんじゃ」と聞いてくる。こいつの場合は本気で『友達といなくていいのか』って聞いてくんだよな。あんな失礼なこと言われた相手に対しても。


あいつらと羽花。

オレにとっては秤に掛けるまでもないんだけど。


「あそこにだけ入り浸ってたわけじゃない」って、つまり特に仲良いとか、大切な仲間ってわけじゃないってことを言いたかったんだけど。

ちょっと深刻そうに「今はどこに?」って聞いてくるから、内心では驚いていた。

オレは何か、羽花を不安にさせてたんだろうか?

「おまえんとこ」って答えたけど、ちゃんと意味伝わってんのかな。


「おもてなししなきゃ」って、意味わかんない返し。

羽花らしくて笑ってしまう。

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ケーキは喜んでもらえたし。(えらく感激してた?)

もしかすると「昨夜はどうして徹夜したのか」が気になってるのかと思ったから、コレを3回作り直してたからだってことも言ってみた。

慣れないことを頑張りましたって言ってるようなもんで、恥ずかしいけど。

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羽花の荷物を持とうという気持ちが先立って、右手を骨折してることを忘れるオレって…。

腹立つな!ダセェな!って情けなくて自分に悪態をついてたら

羽花がオレの右手に顔を寄せて、キスをした。


唇を離して体を起こした羽花は、顔を真っ赤にして、恥ずかしさからオレの目を見ることもできないまま…「大好き」って呟いた。

怪我した可哀想な右手を慰めてくれてるのだろうか。


可愛いすぎる。

でも違うだろ。やり直し。

今日は結構散々な1日だったし、オレ自身を慰めてもらっていいはずだよな。

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来週から修学旅行だと騒いでる声がする。

オレの右手はもちろん骨折中。そんな可哀想な目で見るな。

まぁ確かに、こんな腕で泊まりの団体行動ってのは難易度高いわ。


なんてことを考えていたら、ちょうど羽花が現れた。

『三浦くん、あの腕のまま修学旅行行くの大変だろうな』って思ってるなあの顔は、うん。


「1回断ったけど やっぱ頼もうかな」って言うと、羽花が少し嬉しそうな顔をした。オレに頼られるのが嬉しいらしい。


「オレの右手になってくれるんだよな?」

さほどいかがわしい意味なんて含ませたつもりはないけど、嘘くさい笑顔でニッコリと言ってみた。

羽花は、オレの言葉と表情にとまどっていて、予想通りの反応が楽しい。


さて、修学旅行が楽しみだ。


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ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

次回の修学旅行が楽しみだ!



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